2006-01-01から1年間の記事一覧

犬神家の一族

横溝正史 角川文庫久しぶりに小説を読んだ。おもしろかった。

ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学

本川達雄 著 中公新書 副題のとおり、動物のサイズからの発想によるユニークな生物学。時間は体重の1/4乗に比例する。体重は、体積に比例するから、時間は体積の1/4乗に比例するとも言い換えることが出来る。例えば、寿命、呼吸間隔、心臓の鼓動間隔、筋肉の…

兵隊を持ったアブラムシ

青木重幸 著 どうぶつ社社会性昆虫と言えば、ミツバチ、カリバチ、アリなどが属する膜翅目とシロアリが属する等翅目がある。これらの昆虫では、生殖カーストである女王や王と、不妊カーストであるワーカーが分離している。長い間、このような社会性昆虫は、…

0歳児がことばを獲得するとき 行動学からのアプローチ

正高信男 著 中公新書 赤ちゃんは生まれたときは、全く自我の無い、動物のようにみえる。しかし、実は赤ちゃんの言語獲得のプロセスは生まれたときから、否、母親のおなかの中にいるときから始まっているということが分かった。赤ちゃんは母親の声と別の声を…

昆虫の世界へようこそ

海野和男 ちくま新書 著者は昆虫写真家であり、本書には著者のとった美しい昆虫写真がたくさん集められている。本書の写真は、魚眼レンズを用いてとられている。普通のレンズで昆虫のような小さいものをとると、環境まで描写することが出来ない。魚眼レンズ…

延長された表現型 自然淘汰の単位としての遺伝子

リチャード・ドーキンス 著 紀伊国屋書店 「利己的な遺伝子」に続くドーキンスによる進化論の本の第二弾。であるが、「利己的な遺伝子」に比べると歯切れが悪い。著者が何度も本書の中で述べているように「自己弁護」がやたらと多い。もちろん、私はドーキン…

国際連合 軌跡と展望

明石 康 著 岩波新書「敵国条項」については、1995年の総会決議で死文化していることが確認されたそうだ。あと、歴代事務総長のエピソードとかがあってよかった。

微生物に学ぶ

白田 昭 著 工業調査会これを買ったのはミス。まず、29ページの分類がすごい。なんと、生物が「動物」「植物」「微生物」の三つにわかれていて、さらに、「微生物」が「真核生物」「原核生物」「ウイルス」に分かれている。分かっていてこんなむちゃくちゃな…

御家騒動 大名家を揺るがした権力闘争

福田千鶴 著 中公新書江戸時代初期までは、まだ、主君は「器用」「器量」で選ばれるべきだと言う戦国時代の価値観が残っていたようだ。そういう理論で、器量の無い主君は家臣によって廃立されたり、家臣の方が主君から去っていくようなこともしばしばあった…

利己的な遺伝子<増補新装版>

リチャード・ドーキンス 著 紀伊国屋書店 とても良い本。本当にとても良い本。なぜ、もっと早くに読まなかったのかが、悔やまれる。

日本人の法意識

川島武宜 著 岩波新書 古典的な名著。内容を簡単にまとめると次のようになる。 いわゆる六法=憲法、民法、商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法は明治23年からわずか10年足らずの間に出来た。これらの大法典がこれほどの短期間に整備されたことは歴史上特…

サバンナの博物誌

川田順造 新潮選書通算6年余り、西アフリカのサバンナのモシ族と共に暮らした著者によるエッセイ集。

ミジンコはすごい!

花里孝幸 著 岩波ジュニア新書 岩波ジュニア新書ではあるが、内容は子供向けというわけではなく、かなり良くかけていると思う。また、著者が大変科学的な思考能力が高く、読んでいて感心できる。とても良い本。本書は、淡水域の生態系について、ミジンコを中…

植物の<見かけ>はどう決まる 遺伝子解析の最前線

塚谷 裕一 著 中公新書いまいちの内容。

性転換する魚たち サンゴ礁の海から

桑村哲生 著 岩波新書ファインディング・ニモで一躍有名になったカクレクマノミであるが、この有名なアニメ映画は事実とことなる。まず、夫婦のうち母親が食べられると、お父さんはやがて性転換してメスになってしまう。そして、サンゴで一緒に住むようにな…

ホメオボックス・ストーリー 形づくりの遺伝子と発生・進化

ワルター・J・ゲーリング 著 東京大学出版会 ホメオボックス遺伝子の発見者であるゲーリングによる、ホメオボックス遺伝子の発見に至るまでの自伝的な物語。ただし、専門用語が非常にたくさんあるので僕のような門外漢が読むのは大変苦労する。専門に分子生…

院政 もうひとつの天皇制

美川 圭 著 中公新書鳥羽上皇や後白河法皇などによる院政について著者の研究成果を下に分かりやすくまとめた本。とても良い本。

発生と進化 (シリーズ進化学 4)

佐藤 矩行、倉谷 滋、野地 澄晴、長谷部 光泰 岩波書店ホメオボックスについて知りたくて買って読んだ。とても良い本だと思う。本書は、最新の研究成果を元に、生物がどのように発生しているのかが、書かれている。特に、キイロショウジョウバエについて詳し…

SASサバイバル百科大全

バリー・デイヴィス 著 東洋書林 (借) 元SASの隊員による、SASのサバイバルのノウハウをまとめた本。ただ、僕はどちらかというと病弱なので、死んでしまうと思う。でも、面白い本だった。

ゼミナール民法入門 第3版

道垣内弘人 著 日本経済新聞社 (借) 民法の入門書の決定版といってもいいくらい良くできていると思う。入門書であるが、かなりのボリュームがある。

漢字伝来

大島正二 著 岩波新書 漢字がどのように日本に伝来し、日本人がどのように漢字を受容してきたか書いてある。

新しい発生学

木下 圭・浅島 誠 著 BLUE BACKS (借)発生学について少し勉強したくて、この本を借りたが、見事に期待を裏切られた。まず、専門用語が次から次への何の説明もなく現れるので、内容が意味不明。BLUE BACKSなのだから、読者が一般人であることを意識して書くべ…

国際連合の基礎知識

著者 国際連合広報局 財団法人 世界の動き社 国連の公式ガイドブック。国連の仕組みや関連機関、国連の実績などが列挙されている。ただ、百科事典的に引くのには便利だが、前から順番に読んで頭に入るような本ではない。

カクレキリシタン

宮崎賢太郎 著 長崎新聞新書 江戸時代にキリシタンが弾圧された後、一部がカクレキリシタンとしてひそかにキリシタンの信仰を守り続けていたことは知っていたが、まさか、現代までカクレキリシタンが続いていたとは知らなかった。とはいっても、カクレキリシ…

超ミクロ世界への挑戦 生物を80万倍で見る

田中敬一 著 岩波新書 走査型電子顕微鏡の生物学への応用の先駆者である著者による、世界最高倍率80万倍への道のりを書いた本。今では珍しくも無い電子件病今日写真であるが、これを最初に達成したのは日本の片田舎の鳥取大学の一教授だったとは、驚きである…

生と死の自然史 進化を統べる酸素

ニック・レーン 著 東海大学出版会 原題:OXYGEN The Moleculde that Made the World本書は大変ユニークな本である。また、著者は単なるサイエンスライターではなく、第一線で活躍する科学者でもあるので、他人の受け売りを書いただけと言う本ではない。著者…

長州奇兵隊 勝者の中の敗者たち

一坂 太郎 著 中公新書「偽者の歴史」と「本物の歴史」がこの本の貫くテーマである。もちろん、歴史と言うのは主観的なものであり、正しい歴史観などと言うものは本来決められないものかもしれない。しかし、「歴史などは所詮は歴史家に都合のいいように書か…

中東イスラーム民族史 競合するアラブ、イラン、トルコ

宮田 律 著 中公新書 中東のイスラムというと一枚岩のような誤解があるが、アラブ、イラン、トルコの有力な3つの民族があり、同じイスラム教徒とはいえ互いに競合しあっている。 アラブ人はムハンマドがアラブ人でもあり、また、コーランはアラブ語で書かれ…

法学入門 法と現代社会

田中成明 著 放送大学教育振興会 本書は放送大学の教材で、法律一般に関する入門書である。放送大学の教材だけあって、よくまとまっており分かりやすい。

昆虫 脅威の微小脳

水波 誠 著 中公新書昆虫に脳なんかあるの?と思ったこともあるが、昆虫は以外にも高い学習能力を持っている。特にミツバチは8の字ダンスによって仲間達にミツの場所を伝えると言うきわめて高度なコミュニケーション能力を持っている。また、視覚的な情報や…