パスポートの発明 監視・シティズンシップ・国家

ジョン・トーピー 著
法政大学出版局

本の名前からするとパスポートの起源の話かと誤解してしまうが、本書にはパスポートの起源については書いていない。著者はパスポートの発明により、国家が個人から移動する手段を収奪したと論じている。我々は、国家が国民や外国人の出入国を管理していることを当たり前と感じているが、19世紀まではそうではなかった。特にヨーロッパにおいては、国民と外国人の区別が必ずしも明確ではない場合もあった。