ワンダフル・ライフ バージェス頁岩と生物進化の物語

ティーブン・ジェイ・グールド 著
ハヤカワ文庫
折角、書いたのにはてなのサーバーのせいで、もういっぺん書き直し。

グールドは、断続的進化論者で、進化学者として有名なドーキンスの宿敵である。ドーキンスといえば「利己的な遺伝子」があまりにも有名だが(実はまだ読んでない)、僕としてはグールドの方がより正しいと思う。

断続的進化説というのは、進化のメカニズムを自然淘汰のみに求めるのではなく、偶発性も重要視すると言う説である。本書では、バージェス頁岩の発見とその解釈にまつわる紆余曲折のドラマを再現している。

本書はなんといってももう10年以上も前の本であり、バージェスの生物の解釈も変わり、すでに本書の内容も一部は古くなっている。しかし、本書はなんといってもバージェス頁岩の名を一躍有名にしたポピュラーサイエンスの名著である。また、生物の多様性はカンブリア紀のはじめに最大化した後は、大量絶滅を生き残った少数のデザインのデザイン内での限定的な多様化というグールドの主張は、今もなお、有力な説であると思う。